今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

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2015年3月

皆、生まれて死んでゆく

『当然すぎることを当然と思わないこの私』

昔、ある国の王さまが亡くなり、若い王子が後を継ぎました。

新進気鋭の新しい王さまは、「この国を立派に治めるには、この国の人たちがどのように生きているのかよく知っておくことが一番だ」と考えました。

そこで国中からよりすぐった学者に、この国の人の生活状況を調べさすことにしました。

命令を受けて出発した学者たちは、数年後におびただしい資料をもって帰ってきました。

王さまは、

「私は忙しくてこんなおびただしい量の書類を読んでいるひまがない。
お前たちで力を合わせて整理をし、短くまとめなさい。」

といいました。

学者たちは日夜を問わず作業に精を出しました。

五年たち十年たちました。それでも整理できません。

二十年たちました。そのうち学者は一人死に二人死んでだんだん人数が少なくなってきました。

三十たち四十年たちました。生き残った学者は一人だけになりました。

五十年たってようやく一冊の部厚い本にまとめあげました。

その頃王さまも年をとって病気で寝ていました。生き残った老学者が本をかかえてお城へやってきました。

「王さまがお若いときに命じられました仕事がようやく完成しました。国中から集めた資料を整理してこの一冊にまとめました。」

とその本をさし出しました。王さまは、

「ご苦労であった。若いときからの念願がかなってすぐにでもこの本を読みたい。だが、私はこの年で、しかも病気で読むことができない。すまないが、この本の要点をひとことでいってくれないか」

といいました。しばらく考えていた老学者は、おもむろにこう答えました。

「王さま、この国の人たちは、皆、生まれて、苦しんで、そして死んでゆきます」

と。

考えさせられる寂しい話です。しかし、あまりに当然すぎて、深く考えようとしない私たちです。

当然すぎるとはいうものの真実です。

当然すぎることを当然と思わずに、あなたのことをいったのだ――と考えてみてください。

あなたの生き方が、ひと味変わってくるはずです。

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