今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

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2015年8月

一途に生きぬく人生

「三獣渡河のはなし」

ひとさまざま――と申しますが世の中には色々な人がありますね。

固苦しい人・陽気な人・腹黒い人・・・・・考えると種々ですが、お釈迦さまは『雑阿含経』の中で三つの獣が河を渡る姿、渡り方にたとえて、人間の生活態度人生の在り方を教えていられます。

はじめに出て来るのは兎です。

ザブン・・・・・と跳びこむと向かう岸に向かって泳ぎ出しました。

だが彼は脚が短かいから川底に足が届かず、河の水に流されどおしで、やっと向う岸へついた時ははるかに川下へ流されていました。

次ぎは馬です。対岸に向かって真っ直ぐに歩き出しました。長い脚で流れを切って行けます。だがやがて河が深くなると、遂に脚が底を離れました。やっぱり流されます。だがやがて河の中洲に近付いて底が浅くなります。と又まっすぐ対岸に向かって歩きました。ところが河が又深くなるとやはり流されます。

こうして、ある時は流れある時はまっすぐ進む。これを繰り返しながらだいぶ川下の方に流されて対岸へたどり着きました。

最後は象です。彼は重たい体を太い脚で支えていますので、一歩一歩底を踏みしめながら、対岸に向かってまっすぐに進みます。進むほどに、河底はだんだん深くなりますが、象の足どりは変わりません、河底を踏みしめて一歩一歩力強く進みます。

河底はますます深くなってとうとう象の巨体も水中に没しました。

でも彼の態度は変わりません。でも呼吸をせねばなりません。

すると彼はその長い鼻を水面に突き出しました。(潜水艦のペリスコープで見たいですネ)

そして相変らず一歩一歩を踏みしめながら、遂に広い河を渡り切って、まっすぐに対岸へ上がりました。はじめから終わりまで、その態度は少しも変わりませんでした。

唐の国(中国)で出された『随応讃伝』という本には「大香象は底に徹して流れを截る」と書いてあり、「徹底」という熟語が本に出たのはこれが最初だそうですが手短に河を渡る象の姿をほめたたえ、あわせて、一途に全力で生き抜く人の態度をほめる言葉となっていますね。

さて、お釈迦さまがすすめられた人生生活は――と申しますれば、最後の象の様に一歩一歩に全力を打ち込んで終始変わらず、目標に向かって進み、川下へ流そうとする水の流れを断ち切ってまっすぐに進んで、目指す対岸へ上陸した象の態度でございまして、ある時は正しくまっすぐに、ある時は流れに押し流された馬の態度でもなく、はじめから流れに押し流されて遥かの川下へ着く兎ではもちろんありませんね。

なお河の流れを人間の浅間しい欲深か根性や、頑くなな執着の心や自分だけに片寄った独断や他人の意見や忠告を受け容れない愚かな心、(四通りのはげしい心の迷い)にたとえられてもおります。

そこで、貴方は(では自分は象の様は態度で毎日を暮しているか、それとも――?)

とお考えになりますか。

親鸞聖人の御一生は、正しく、象の様に如来のお慈悲を信じて疑はず、どんな出来事に対しても、徹底的に考え、判断して立ち向かって行かれたのであります。

見真(顕真)の聖者、真実を顕わして下さった尊いお方、と申し上げるのは、もっともですね。

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