今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

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2016年9月

人間の弱さにつけ込む迷信

「ご利益」に目がくらんでしまったばっかりに

 

吉凶、禍福競って、おのおのこれをなす、一人として怪しむものなし。

『大無量寿経』のことばです。吉凶禍福――いいこと、わるいこと、わざわい、ふく――

これらのことに心を引かれる、目を奪われて、みんなが血まなこになって競い合っている。

そして怪しいとも、なんとも思わない、というのです。

どうして、そうなのか。それは心の目がくらんでいて、どちらを向いたらよいか、どうしたら

よいか、進むべき方向が明らかでないからです。

日のよしあしにしても、家相や墓相にしても、心がふらふらしていると、よいとかわるいとか

の判別もつかず迷いこんでしまう。

そんな状態だから、どこそこの神さまはご利益があると聞くと、目のいろを変えて出かけて

ゆく。

可愛い子供が蒸発すると、警察には行かずに祈祷師をたずねたり、あやしげな邪教の門

をたたいたりする。どうして家を出るようなことになったのかということを反省しないのか。

こんなことでは、年はとっていても、生活の根底が、あやふやで危ないといわねばなりません。

テルテル坊主を木の枝にぶらさげて、あした天気にしておくれ、と頼んだり、茶柱が立ったら

よいことがありそうだとほほえむ程度なら、一つのご愛嬌としてすまされましょう。が、それを

本気に期待するとしたら危険千万です。

ある家で、母親が朝早く町に買いものに出かけました。買いものをした店で出されたお茶に、

茶柱が立っているのに気をよくした母親は、きょうはよいことがあるぞと、胸をふくらませて

家に帰ったまではよかったのですが、よいことどころか、高校に行っている長男が、列車から

ふり落とされて大けがをして病院にかつぎこまれていました。

こんなバカなことが、と、母親は首をかしげましたが、バカなのは茶柱ではなく、そんなことを

まともに信じた母親のアタマの方だったのでした。

数年前、九州のある田舎で、小学校五年の男の子が、家のまえの高い榎の枝から落ちて

背中の骨をくだきました。かねがね、えたいの知れぬインチキ宗教を信じていた母親は、

三日間も医師に見せず、その教祖に頼んでおまじないをしてもらっているうちに、かわいそ

うに、その子供は死んでしまいました。すぐ病院にかつぎこんだら助かっていたにちがいな

いのに、という記事が新聞に掲載されていましたが、これに似た話は他にもいっぱいあるは

ずです。人間は一見りっぱで確かそうに見えますが、案外不確かで弱いものです。

それだけに、たえず迷信につけねらわれていることになるのですから、大いに警戒しなけれ

ばなりません。

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