今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

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2017年12月

お釈迦さまのご遺言

『阿弥陀経』に込められた親心

 

昔から、鳥がまさに死なんとする時に、その鳴く声は、なんともいえないほど哀しく、人が死に

のぞんでの言葉は、真実で、しかも、これだけはどうしてもいっておきたいと思う、もっとも大

切なことをいい遺すといわれています。

今、私たちが親しく耳にし口にする『阿弥陀経』は、お釈迦さまの一代の結経(けっきょう)、

つまりご在世中、お説きになられた八万四千の法門の最後に、まさに涅槃の雲に入られるにあた

ってお説きになったものといわれています。ですから、お釈迦さまが常日頃から、心に思ってお

られたことをお説きになったのにちがいありません。しかも、一般にお経というものは、必ずと

いってよいほど、誰かの問によって口をお開きになっておられる。ところが、この『阿弥陀経』

は、誰も問わないのに、おん自らすすんでお説きになった、いわゆる無問自説経であります。

しかも、「舎利弗(しゃりほつ)よ」と、三十六度まで、長老舎利弗尊者のお名前を、お呼びか

けになっておられます。

以上のことから、お釈迦さまが人間界に御出世あそばされた、本からの願いを、最後にもう一度

言い遺したという、お釈迦さまご自身の抑えきれない親心が、お言葉となって、この『阿弥陀

経』ができたものと、有難くいただくことができます。

また、この経が、お釈迦さま一代の遺言状であるといわれるゆえんも、ここにあるといわねばな

りません。それではいったい、お釈迦さまは、何をそんなに、言い遺そうとされたのでしょう

か。一口でいえば、それは、お念仏だったのです。

この経の主旨は、表から見れば、小善根(しょうぜんこん)、小福徳(しょうすくとく)「自力

の善根」を捨てて、お念仏をとなえることをおすすめになっておられます。しかしこれを裏から

みれば、となえることに効き目をみとめて私がとなえる自力の念佛ではなく、われわれ一切の衆

生を救わんという弥陀の弘願他力(ぐがんたりき)「慈悲」より発するお念仏を深く味わい喜ぶ

ことだったのです。

このことは、あたかも、赤子が母を呼ぶことによって救われるのでなく、捨てておけない慈母の

やるせない親心一つによって、はぐくみ育てられるのと同じことなのです。しかもこのお念仏

は、お釈迦さまだけがおすすめになるのでなく、東西南北上下六方の数限りなき諸仏方も、口を

極めて讃めたたえ、その真実なることを証明しておられるのです。このように、お釈迦さまのや

るせない遺言状の真意をこの『阿弥陀経』の中にいただくとき、私たちはいよいよ心してお念仏

申さねばなりません。

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