今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

概要写真

2021年2月

難あってこそ

難が無ければ無難な人生

難があれば苦難の人生

難有ればこそ有り難し

九應寺(大阪)

「難」を題材にしたこのテンポのいい標語は、大阪の浄土宗のお寺のものです。「難」で思い出

されるのが提婆達多(ダイバダッタ)。

釈迦族出身で、お釈迦さまの弟子でありながら、師に背くこと幾度、ついには大逆人の烙印を押

された人物です。手塚治虫さんの『ブッダ』にも出てきますし、『月光仮面』で有名な川内康範

さんの作品『愛の戦士レインボーマン』にも主人公に超能力を授ける役として登場しますので、

その名前を耳にしたことがある人は多いでしょう。

そんなダイバダッタを、お釈迦さまは自分がさとりを得るために「難」を作りだしてくれる存在

として捉えます。「難有ればこそ有り難し」、まさに「有難い」存在だったのです。

2018年にお亡くなりになった樹木希林さんも、「難の多い人生は、ありがたい」と、こんな話を

されています。

私は「なんで夫と別れないの」とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。ありが

たいというのは漢字で書くと「有難い」、難が有る、と書きます。人がなぜ生まれたか言えば、

いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。

この記事を読む限り、樹木希林さんは夫である内田裕也さんをダイバダッタのような存在として

捉えていたようです。平穏な人生という意味で「無難な人生」を良しとする気持ちがあります

が、「難」を乗り越えていくことにも、人生の喜びが潜んでいます。

「難」に遭っても不幸だとばかり思わずに、試練を乗り越えることの喜びも感じてみましょう。

 

補足

人生には三つの坂道があると言われています。一つ目は「上り坂」という坂道。二つ目は「下り

坂」という坂道。登山の時と同じで上りもあれば下りもあります。もちろん平坦な道もあり、時

には曲がりくねった道もあります。上りだけの登山はありませんし、下りだけの登山もありませ

ん。色んな道(難)があってこそ登山が成り立つ訳で、だからこそ頂上に着いた時の喜びや達成

感もある訳です。三つ目の坂道は、「ま坂」(まさか)という坂道です。

登山にどれだけ慣れていようとも、山の天候を甘く見たり経験豊かという過信による思いからの

事故も時々起こります。まさか、あの登山家が事故にとか、まさかうちの父が遭難するなんてと

か滑落に巻き込まれてとか。これは登山だけでなく私たちの人生にも全く同じことが言えそうで

す。時代劇で有名な水戸黄門の主題歌でもある「ああ人生に涙あり」の中にも、『人生楽ありゃ

苦もあるさ 涙のあとには虹も出る 歩いてゆくんだしっかりと自分の道をふみしめて』とある

ように人生という道を歩んでると、上り坂もあれば下り坂もあります。

何事も起こらずに平坦な道もあり曲がりくねった道(紆余曲折)もありますが、三つ目の坂道は

「まさか」という坂道です。

悲しい事や辛い事、寂しい事、腹ただしい事、時には自暴自棄になりそうな事という道が巡り巡

っていくのが人生です。受け入れ難い事を受け入れていかねばならない心を養ってくれるのが、

仏法(仏さまの教え)に出遇うという事です。「まさか」という坂道に備える人生を歩んでまい

りましょう。

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