今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

概要写真

2021年6月

怨みをすててこそ

あんたが悪いと

指さした下の三本は

自分を向いている

 

三佛寺(鳥取)

 

この標語は温泉でも有名な鳥取県三朝町にある天台宗の古刹、慈覚大師円仁ゆかりの三佛寺境内

の自動販売機に掲げられていたそうです。

自販機と掲示板が一緒になっているものを初めて見ましたが、なかなか斬新な発想です。

「日本一危険な国宝」と称される断崖絶壁のくぼみに建てられた奥院「投入堂」は、国宝にも指

定されている唯一無二の建築物です。標語を見ていきましょう。

非難する相手に人差し指を突きつけると、折り曲げられた中指、薬指、小指の三本は、どうして

も自分の方を向いてしまいます。実際にやってみると、人を指している指は自分の目からよく見

えますが、自分を指している三本の指は意識しないので視界にはあまり入って来ません。

この標語が言わんとするように、この三本の指の存在(自分の悪い部分)に気づかず、怒りに任

せて相手を一方的に非難することがありませんか?

質問中に指差されて激怒した大臣もいましたが、ふつうは相手の怒りも増幅するものです。

『法句経』の中に、有名な言葉があります。

 

実にこの世においては、

怨みに報いるに

怨みを以てしたならば

ついに怨みの息むことがない。

怨みをすててこそ息む。

これは永遠の真理である。

(中村元訳『ブッダの真理のことば感興のことば』岩波文庫)

 

結局、「自分にも悪い部分はある」という考えを持たなければ、双方の憎しみは増幅するばかり

なのです。

 

補足

仏教では怒りのことを「瞋恚(しんに)と言い三毒の煩悩の一つであります。具体的に述べる

と、「怒り・腹立ち・そねみ・ねたむ心」ということで、この毒は外側から私たちの体内に入っ

てきて心身を苦しめる毒ではなく、生まれながらにして私たちが内側に抱え込んでいる猛毒であ

ります。自身の心の中でこの瞋恚によって憎悪の鬼と化し自身を苦しめるのです。

例えばとても欲しい限定のバッグがあったとします。そのバッグをあまり仲の良くないママ友が

持っていたとします。あら!そのバッグ私も欲しかった!よく手に入ったわね。良かった!

と心から喜べるでしょうか。喜ぶことができたらとても素晴らしい事ですが、それとは逆に腹立

たしい気持ち、ねたみそねみの気持ちが沸いてくるのが人間なのです。穏やかだった心に波風が

立ち、今度は波風を静めようと新たな思いが出てきます。あのバッグの上をいくバッグを買って

見返してやる!という思いです。これが「瞋恚」の正体です。自身の人間としての正体の気付き

が大切なのです。怒りの炎に振り回されて心を亡くすことは避けたいものです。

その他三毒の煩悩は、「貪欲」欲望・貪りの心。「愚痴」不平不満を言います。

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