今月の釈迦説法
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今月の釈迦説法

釈迦が菩提樹の下で悟り、説いた教えとは中道(ちゅうどう)、縁起(えんぎ)、四聖諦(ししょうたい)、八正道(はっしょうどう) の四つの真理から成り立っています。
これらの修行を積むことによって煩悩をなくし、結果として苦を克服することができるとされています。

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2022年1月

樹木希林の死生観

死はいつか来るものではなく いつでも来るものなの
樹木希林

超覚寺(広島)

 

2013年、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞のスピーチで、癌が全身移転したことを公表し

た女優の樹木希林さん。それから亡くなるまでの約6年間に数多くの作品に出演しましたが、最

後の出演作品は『日日是好日』という作品でした。ちなみに、「日日是好日」は禅語の一つで、

どんな日であっても、とらわれを離れてありのままに生きれば、毎日は新鮮で最高にいい日だと

いう意味です。希林さんは、全身に痛みが走ることもあったでしょうが、自然体のまま最後まで

仕事を全うされました。

彼女が雑誌「AERA」で語った死生観にはとても仏教的な考え方が詰まっています。「死をどう

思いますか」なんて聞かれたって、死んだことないからわからないのよ。

(中略)死はいつか来るものではなくいつでも来るものなの。これはまさに諸行無常に基づく考

え方です。私たちは、自分が死ぬことを自覚したとき、初めて自分の本当にやりたいことが見え

てくるのかもしれません。樹木希林さんは2018年9月に亡くなられました。葬儀の場で娘の也哉

子さんが希林さんの以下の言葉を紹介しています。

「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」これが希林さんの人生訓だったよ

うです。死がいつ自分に訪れるかは誰にもわかりません。だからこそ、一日一日をこの言葉のよ

うなスタンスで生きたいものです。

補足

今年も早いもので年が明け二十日が過ぎました。更新を明日しよう明日しようと思いつつ大変遅

くなりました。明日明日と思いつつ時は急流のように瞬く間に過ぎていくものです。

ところで歳をとると時が過ぎるのが早く感じるという思いをしたことはありませんか。これは気

のせいではなさそうです。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはよ

り短く評価されるという現象で、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例

する(年齢に反比例する)。例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであ

るが、5歳の人間にとっては5分の1に相当します。

よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日

が50歳の人間の10日に当たることになります。つまり、生きてきた年数によって1年の相対的な

長さがどんどん小さくなることによって、時間が早く感じるということです。

例えば1歳の1年は365日とすると、50歳の1年は体感的にはその1/50となります。1歳の365日

の50分の1は約7日です。つまり、50歳に感じる1年の長さが、1歳で感じる7日分しか相当しない

ということになります。

1歳の時に感じたわずかな7日という時間の感覚で、50歳では1年が過ぎると感じてしまうので

す。今回の「死はいつか来るものではなく いつでも来るものなの」は私たちに大切な事を教え

てくれます。生まれた者は必ず亡くなるという事は誰もが分かり切っています。

でもどこで分かっているのか?というのが問題です。それは自身のいのちの上ではなく他人のい

のちの上で分かったふりをしているのです。これを、「他人事」と言います。

生と死の境目が何千キロも遥か彼方にあるように思いますが、実はその境目は目の前にあるので

す。思っている以上に人生の流れは早く、ある日突然に私事として考えなければならない時が必

ずやってきます。その準備を仏さまの教えを元にしていきましょう。

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